『それでも、警官は微笑う』
- 2002/11/27(水) 23:25:44
『それでも、警官は微笑う』(日明恩(タチモリメグミ)/講談社/1900円)を読み終える。朝日新聞のwebサイト内コラム、矢部万紀子の「代理心得堂」で“『マークスの山』レベルの「踊る大捜査線」”と書かれていたのに興味を引かれ、読み始めた小説である。ストーリーは“キチク”とあだなされるタフな刑事が、銃の密売犯を追いかけるというもの。その過程で麻薬捜査官との確執があったりして、『踊る大捜査線』に『新宿鮫 無間人形』のスパイスをちりばめたような印象を受けた。
主役とコンビを組むキャラクターが、『教師びんびん物語』など『びんびん』シリーズの榎本(野村宏伸)をよりイタクした感じでちょっとつらかったりもしたが、全体によくできた小説だった。
個人的に、ラストのビターさにはおおっと思わされましたが。
『壬生義士伝・上』『壬生義士伝・下』
- 2002/11/24(日) 23:23:22
友人に勧められた本、『壬生義士伝・上』『壬生義士伝・下』(浅田次郎/文春文庫/各590円)を読み終える。新撰組隊士・吉村貫一郎を主人公とした小説である。物語はふたつの軸から成り立っていて、ひとつは鳥羽伏見戦後に満身創痍で南部藩の蔵屋敷にたどり着いた吉村の回想。もうひとつは、大正時代に彼の周囲の人間が取材者に語る吉村の想い出である。そのふたつを交互に織り交ぜるという構成により、貧しいが故に新撰組に入隊した吉村貫一郎という人間像を、内と外から浮かび上がらせている。
哀しいくらいにまっすぐな吉村の姿を通して、子を思う親の心、友を思いやる心、凛と生きる人たちの心情が深く静かに心を打つ。自分自身を振り返り、自分の生き方を省みて、背筋が自然と伸びるのを感じる作品だった。まじおすすめである。電車で読むのはやめるべきなくらいおすすめである(電車の中で涙をこぼすのはちょっとねえ(笑))。
個人的には、土方歳三がかっこよく描かれていたのがうれしかった。新撰組には司馬遼太郎の『燃えよ剣』から入ったので、土方派なのですよ。
『EPIC 25 1980〜1985』『EPIC 25 1986〜1990』
- 2002/11/20(水) 23:17:56
『EPIC 25 1980〜1985』(V.A./ESCL-2347)
『EPIC 25 1986〜1990』(V.A./ESCL-2348)
エピックレコード25周年を記念したベストコンピレーションアルバム。佐野元春、渡辺美里、TM NETWORKなど、80年代を代表するアーティストの名曲が収録されている。当時、ソニーっ子だった人間は必携のアイテムだろう。
- CD
- | trackback(0)
- | comment(0)
『インストール』
- 2002/11/13(水) 23:13:13
『インストール』(綿矢りさ/河出書房新社/1000円)を読み終える。第38回文藝賞受賞作で、作者が受賞時に女子高生(しかもかわいい!!)だったということで話題になった作品である。ストーリーは、不登校を始めた女子高生が同じマンションに住む小学生と知り合い、コンピュータを使って2人で風俗チャットのバイトを始めるというもの。インターネットの中のエロサイトという“異世界”を旅するちょっとした“冒険潭”的な物語である。主人公を作者と同一化させて読んだので、アイドルドラマやかわいいキャラクターの出てくるマンガのような楽しみ方ができた。
『六月の勝利の歌を忘れない 日本代表、真実の三十日間ドキュメント』
- 2002/11/11(月) 23:12:12
『六月の勝利の歌を忘れない 日本代表、真実の三十日間ドキュメント』(DVD-BOX/PCBE-60012)の試写会に行く。この作品は、2002日韓大会のサッカー日本代表に同行し彼らの素顔を撮り続けたカメラの映像をもとに、岩井俊二が編集を手掛けたドキュメンタリーである。宿舎・北の丸でのリラックスした姿、シビアなミーティング風景、試合中のロッカールームの緊迫した状況など、メディアでは観られない映像が満載である。使われているシーンは笑いあり、血がわきたつようなシーンありで、ひじょうに内容が濃く、すっごく楽しめた。終了後の大拍手は、観客のきもちがひとつになったあらわれだろう。ほんとにいい内容だった。サッカーファンにはスーパースペシャル大おすすめ!!
ちなみに会場には岩井俊二監督とフローラン・ダバディー(トルシェ通訳)が来ていたのだが、ダバディーの顔の小ささには驚いた。

